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長尾台診療所 大阪府枚方市|新型コロナウイルス感染症について(2023年5月8日以降)

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は以前と比較して明らかに弱毒化傾向にあるため、WHOは2023年5月5日に緊急事態宣言の終了を発表しました。日本においても5月8日より感染症法上の位置づけが「2類相当」から「5類」に格下げされ、インフルエンザとほぼ同等の扱いとなります。インフルエンザと違う部分もありますので、以下にまとめます。

①学校保健安全法にて「発症した後5日を経過し、かつ、症状が軽快した後1日を経過するまで」を新型コロナウイルス感染症による出席停止期間としています。保育園・幼稚園・その他学校に通学されている方は出席停止ですが、社会人は特に規定はありませんので、出社可能かどうかは会社の判断に委ねられています。上司の方等にご相談ください。法律に基づく外出自粛も必要なく、外出を控えるかどうかは、マスク同様個人の判断に委ねられています。勧められてはいませんが、マスクをせずに外出も可能です。

②これまで公費負担により無償であった検査費や医療費が有料となります。PCR検査は抗原検査と比べて正確ではありますが、結果が出るまでに1日かかりますし、検査費用も高額となってきます。社会人の方は検査されるのであれば、費用対効果を考えて抗原検査をお勧めしますが、検査が必須とも考えていませんので希望者、当院が必要と考えた方のみ施行いたします。保育園・幼稚園・その他学校に通学されている方は、学校保健安全法にて出席停止期間が定められていますので、抗原検査・PCR検査による診断が必須となります。当院では即日結果の出る抗原検査を主に行い、希望者にはPCR検査を追加します。

 

以下は新型コロナウイルス感染症の検査(PCR検査・抗原検査)・治療(内服)に関してです。

①検査(PCR検査・抗原検査)について

ご自身で抗原検査をされて陽性となった場合や、ご自身では陽性かどうか判断がつきづらい場合は検査キットを箱ごと当院にお持ちください(写真でも結構ですが、メーカー名、診断用か研究用か分かる様にお願いいたします)。市販の抗原検査キットには診断用(「体外診断用医薬品」や「第1類医薬品」と箱に表示)と、研究用(「研究用」と箱に表示)とが混在しており、研究用は検査精度が悪く政府に認可されていないものですので、研究用で陽性判定が出てもそれでは診断できず、再検査が必要となります。

PCR検査は通常、検査結果は翌日午前中に出ます。ご希望の方は必ず健康保険証をご持参ください。健康保険証がない場合は自費扱いとなりますので、2万円程度かかって参ります。以前とは異なり、陽性の方へ当院からご連絡いたしませんので、結果については再診下さい。
また、PCR検査陰性証明書(日本語・英語)も発行可能です。日本語証明書:2000円、英語証明書:3000円です。

抗原検査は5分で結果が出ます。こちらも健康保険証がない場合は自費扱いとなりますので、1万5千円程度かかります。

 

②治療(内服)について

治療に関して当院で処方できる薬剤(内服)について列記します。これら内服薬は2023年9月末までは公費により無料となっておりますが、10月から有料となり、2024/3月末まで3割負担で9000円、2割負担で6000円、1割負担で3000円です。2024年4月以降はさらに値上がりし、薬剤にもよりますが、3割負担で15000円~27000円程度となります。ほとんどの方が通常の風邪薬で軽快されますので、無料であっても処方を希望される方は少ないですが、有料となればさらに処方希望者は減るかと思われます。ただ、なかなか解熱せず、本当にこれらの薬を必要としている方々にも有料となってしまうのは心苦しいところです。

ゾコーバ(内服)
 ついに12歳以上であれば軽症であれ、どなたでも処方可能な抗ウイルス薬ゾコーバ(エンシトレルビル フマル酸)が特例承認されました。中間段階の臨床試験(治験)では有効性を示せず、承認が見送られ継続審議になっていましたが、軽症と中等症の患者約1800人を対象にした最終段階の治験結果で薬の有効性を示すデータが出され、委員の賛成多数で緊急承認が了承されました。提示されたデータによると、オミクロン株に特徴的な鼻水や喉の痛み、せき、発熱、倦怠(けんたい)感の5つの症状が消えるまでの期間は偽薬(プラセボ)のグループが約8日だったのに対し、ゾコーバを服用したグループは約7日と1日短縮されていた様です。また体内のウイルス量もより多く減少し、重い副作用もみられませんでした。これらのデータからしますと、ゾコーバも下記ラゲブリオ同様、著効するイメージはあまりありませんが、軽症の新型コロナウイルス感染症にも処方可能な内服薬の初承認であり、臨床的意義は非常に高いかと思われます。
 この薬は服用初日は3錠、2日目以降は1錠を計5日間服用(合計7錠)します。ただ、催奇形性が認められる薬剤であり、妊婦の方や妊娠の可能性がある方、授乳中の方には処方できません。また、一緒に内服できない併用禁忌薬が多数存在するため、処方希望の方はご相談ください(新型コロナウイルス感染症と既に診断されている方に限ります)。

ラゲブリオ(内服)
 こちらも内服の抗ウイルス剤で特例承認されたものです。ただ、この経口抗ウイルス薬 ラゲブリオ(モルヌピラビル)は重症化リスクの高い人を対象とする臨床試験(治験)では、入院・死亡するリスクを約30%しか下げる効果がなかったようで、効果としては著効するイメージはあまりありません。この薬は、 1日2回(1回4カプセル)、5日間服用する薬剤で、動物実験で催奇形性が認められており、妊娠している女性、妊娠している可能性のある女性には投与できません。またこの薬剤も非常に高価で、世界的なウイルスの流行に伴い、日本での流通量も限られているため投与できる患者様には制限があります。
①18歳以上
②次の重症化リスク因子を1つ以上持っている方(●61歳以上●糖尿病●高血圧●脂質異常症(高脂血症)●喫煙●肥満(BMI 30kg/m2以上)●慢性肝疾患●悪性腫瘍●慢性腎疾患●慢性閉塞性肺疾患(COPD)●慢性心疾患●慢性神経疾患(認知症、脳卒中、てんかんを含む))
これら2つを両方満たす方です。

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