リハビリテーションとは、脳梗塞や交通事故により腕や足が動きにくくなったり、痛みが残ったりするため、そういった症状を改善するという単純な機能回復訓練だけが目的ではありません。「人間らしく生きる権利の回復」や「自分らしく生きること」が重要で、そのために行われるすべての活動がリハビリテーションだと位置づけられています。つまり、色々な体の障害に対して、その障害が完全に元に戻るように訓練するだけがリハビリテーションではないのです。現在の自分の障害を受け入れ、その中でご自分の可能な範囲で少しでも腕や足を動かして機能を回復できるように、自分でこんなことがしたい等のご希望に少しでも添えるように手助けしながらリハビリテーションを行っていきたいと思っております。
完全な機能回復を目標にするリハビリテーションは非常に過酷で、患者様にとってもつらいものです。なかなかそのような過酷なリハビリテーションは長続きしません。患者様にとっては、ご自分のペースで可能な範囲で結構ですので、ゆるやかに継続してリハビリテーションを行っていただくのが、結局は患者様の残された能力を最大限に引き出し、より良い今後の人生を送れるようになるのではないかと信じております。